Monthly Archives: 5月 2016

稽留流産当日掻爬手術後

手術が無事に終わりました。

自然に出てくることを待つことも出来たため、手術を選んだことが本当によかったかどうか分からずに不安でいっぱいでした。

子宮が傷ついたり、子宮に穴が空いて腸を傷つけると開腹して手術が必要になるとの説明も受けていたので不安で不安でしょうがなく、手術を受けたことに後悔もしていました。

もしも、すべてを取り除けずにお腹の中に残ったものがある場合は再手術も必要になるとの事前説明もあったので、「どうかこれで二度と流産手術をすることはありませんように」と願っていました。

2時間はベッドで安静にしていなければならず、トイレにもいけません。

眠ることができずにただただボーっとしていました。

お腹の痛みはチクチクといった痛みでそれ程激しいものではありませんでした。

ジワジワとする耐える事のできる痛みです。

大部屋を選んでいたため、同室の患者さんのお見舞いに来た人たちの会話が聞こえてきます。

その部屋は妊婦さんではなく、年輩の方がいました。

総合病院だったため、産婦人科ではない手術の人たちでした。

そのことは私にとってまだ救いだったかもしれません。

やはり、流産という悲しい出来事に伴う手術の直後に幸せな妊婦さんの話声が聞こえてくるのは精神的にも辛いことだから。

ベッドで安静にしている2時間の間、トイレへ行けないので用を足したいときは管をつけるしかないそうです。

卵巣嚢腫の手術の際に管をつけたことがあります。

やはり、助産師さんの手を煩わせる気がしたので、トイレに行きたくてしょうがなくなりましたが、たぶんもう少しだと思い我慢していました。

やっと2時間経ち、先生の診察の前にトイレに行くと、ナプキンに血がたくさんついていました。

先生の診察では手術後の注意事項の確認がありました。

・2日間は安静に

・経過観察のため、一週間後に受診。

・感染症を防ぐために入浴は出来ない。シャワーのみ。血が止まったら入浴は可能。

・出血が4~5日続く

・激しい腹痛、発熱、血の塊が出たら病院へ電話する。

・次の妊娠は1回生理を見送ってから

など

ひとまず、手術が無事に終わって安心しました。

出産に伴う喜びのための痛みなら、どんなに痛いものでも我慢は出来る。

しかし、失うための痛みは辛いと本当に思いました。

稽留流産当日の掻爬手術

ストレッチャーに乗り、手術室まで行きました。

ここで手術の担当者の人から挨拶がありました。

手術台の横でストレッチャーから手術台に移ります。

自分で転がるように移動しました。

手術台にいると先生が準備しているのがみえました。

手術室には、クラッシックのような音楽が流れていました。

ライトが眩しい。

「左側の点滴から眠気を催す麻酔が入りますので、痛みや違和感があるかもしれません。眠たくなったら寝てください。」

点滴に目を向けましたが、特に違和感はなかったです。

緊張からかまったく何も感じない状態だったのかもしれません。

意識はしっかりとありました。

先生が「ガーゼを取り出して消毒をします」と言いました。

このとき、まだ麻酔が効いていなかったのか、違和感と痛みがありました。

その痛みのために足に力が入ります。

「力を抜いてください」そう言われて

手術経験者には力を入れている方が痛いという人がいたのを思い出しました。

力を抜き、「先生にとっては魚の目を取る程度の簡単な手術なのだから大丈夫」という夫の言葉を思い出し、大丈夫だと自分に言い聞かせました。

この言葉を聞いたとき「最初なんてひどいことを言うんだ他人事だと思って・・・不謹慎だ」と思っていました。しかし、いざ手術となると、そういう風に考えることで心が軽くなりました。

カチャカチャという金属音が聞こえます。

何か処置されているのはわかります。

しかし、麻酔が効いていたようで激しい痛みはありませんでした。

「終りましたよ」

先生が言いました。

「終わったんだ」と心から安堵しました。

手術時間はとても短かったです。

ストレッチャーへの移動時も少し意識が朦朧としているものの、自分で転がるように移動しました。

また病室のベッドへ戻ります。

稽留流産手術当日 手術まで

稽留流産の手術は入院する病院と日帰りの病院があるようです。

私の通っていた病院は朝から夕方までの日帰り手術でした。

手術なので朝ご飯は食べることが出来ません。

朝の6時以降は水も飲まないでくださいとのことだったので、水を飲むために5時半に起きました。

朝は喉が渇き、さらに季節は夏、水を飲まないで手術終了まで待つのはかなりキツイです。

準備を整え朝病院へ行きました。

外来なので他の患者さんと一緒に待合室で待っています。

こういう時、妊婦さんをみるとやはり悲しい気持ちになります。

【9時半】

再度エコーで胎児を確認します。

気のせいか、前より影が薄くなってしまっている気がしました。

やはり、心拍は確認できません。

出血はしてないとのこと。

棒のようなラミナリアというを入れて子宮口を広げる処置をします。

ネットで事前に稽留流産手術について調べており、「ラミナリアが痛い」と言っている人が多かったので身構えていました。

確かに痛みはありましたが、思っていたほどではなく我慢ができるくらいでした。

悲鳴をあげるほどの痛みを想像していたため、この処置が終わったことでひとまずほっとしました。

ガーゼのようなものを入れてあるので、トイレは行っていいが、それ以外は安静にとのことで病室まで車椅子で移動しました。

【病室で】

病室に入り、手術用の服に着替えます。

下はパンツ一枚で、上は着ていていいとのこと。

必要なものとしては、生理用のショーツ1枚とナイト用のナプキン2・3枚となっていました。

入院手続きの用紙の提出や、手術が終わった後の注意点、飲み薬の説明を助産師さんから受けました。

担当が看護師さんではなく助産師さんだったことがやっぱり産婦人科なのだと、産まれるのも亡くなるのも同じように助産師さんが担当するのだとなんだか実感しました。

熱を測ると37度でした。

私の平熱は36度ほどなので高めです。妊娠した後も高温期がずっと続いていたわけではなく、計る時間帯によって体温は変わっていました。

着替えた後、何もすることもないので、ただボーっとベットで横になっていました。

しばらくすると、点滴が始まります。

点滴をするのは、卵巣嚢腫の手術を受けた以来のことで、あの時のことを思い出しました。

一晩中痛くて眠れず、救急として親に送ってもらい夜中に痛み止めの点滴をしたこと。

それでも心は休まらなかったこと。

点滴の太めの針がチクッと刺さります。

「もうこんな痛みを味わいたくない」

そう心から思いました。

手術前にはトイレを済ませておきます。

手術の前にはお尻に麻酔の注射も受けます。

この注射はかなり痛かったです。

そして、ストレッチャーで手術室まで運ばれていきます。

ただ、天井をみつめていることしかできません。

明るいライト。

車輪のガラガラという音。

いよいよ手術だというのにまだ現実を受け入れられない自分もいました。