手術するときは化粧やマニュキュアを落とさなくはなりません。
以前の手術でもそうでした。顔色や爪の色を確認するためです。
おしゃれな妊婦さんは化粧をしているかもしれませんが、入院してからそんな気持ちの余裕はありませんでした。
手術前には必ずお手洗いを済ませておきます。
そして、移動用ベッドで手術室へ運ばれていきます。
普通分娩ならもう陣痛が始まって苦しんでいるのでしょう。
予定された帝王切開は陣痛の無い状態で行います。
逆子なのに陣痛が始まってそのまま出産になり万一のことがあっては大変。非常に困ります。
運ばれている間、痛いわけではないのでまだまだ余裕はあります。
ただただ緊張して手術がこわくて、手術が無事に成功することだけを祈ります。
「元気なあかちゃんが無事に産まれますように。
手術で腸に穴があいたりしませんように。」
手術室へ着くと、血圧計を巻いたり、心電図をつけたり、マスクをしたりと準備が始まります。
横向きになり、背中を消毒し麻酔の薬を入れる針を刺して麻酔が開始されます。
麻酔をするとジンジン体が熱くなると聞いていました。
熱くなるというより脚が痺れている感覚です。
全身麻酔はしたことありましたが、腰椎麻酔は初めてなので、麻酔によって痺れているのか確信が持てませんでした。
傷みを感じますかと少しつねったりしてチェックされます。
触られている感覚はあるけど、その部分が痺れているので傷みがよくわかりません。
麻酔は効いているようです。
いよいよ手術開始。
恐怖からなのか、手術室の寒さからなのか、体がガタガタ震えてきました。